核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開
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略称/核融合トリチウム 領域番号/476
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科研特定領域「核融合炉トリチウム」
研究分担者各位
平成19年9月14日
キックオフミーティング出席御礼と総括
領域代表 田辺 哲朗

 9月12/13日に開催されました特定領域「核融合トリチウム」キックオフミーティングは、本島核融合研究所長にもご出席いただくことができ、成功裏に終了させることができました。ご出席いただけました皆様には厚く御礼申し上げます。またご出席いただけなかったものの、資料作成にご協力いただきました皆様にも御礼申し上げます。
各報告に対し、活発な質疑やコメントがなされましたが、いずれも良く練られた立派な計画であると思いますので、細部の修正は必要かも知れませんが、報告された内容に従って研究を進めていただくことで互いの了解が得られたものと思います。

 掲げて頂いた目標を達成していただくように努力していただくことはもちろんですが、ミーティングの際に、行われた議論を以下のように総括しておきます。是非ご念頭等に置いて研究を進めて頂きますようお願いいたします。
5年後に、各計画研究で、工学あるいは技術的には、
目標としたシステムの構築またはデザイン、
技術的な目標達成、全く新しい技術開発、技術の改良/高度化、
より経済的/効率的な技術の提供、そのための新しいアイデアの提案
等々
学術的(物理あるいは化学的)には
目標達成(システム構築またはデザイン等)に必要なデータの提供
新しい現象の発見、データの新しい解釈/理論付け、
シミュレーションによる現象のより詳細な解析あるいは予測
などその成果を明確に主張できるものにとどまらず、
今後の科学技術の進展のために必要な系統的なデータの取得、
基礎的な現象の理解の深化、
現時点で正しいと思われている事へ疑念の提出/再解釈の提案
新しい視点から現技術への疑点の指摘/そのための実験

等々にもじっくり取り組んでいただくことを期待します。またそれらこそが科研費に与えられた役割かも知れません。人間は面白いと思うことに立ち向かう時、最も力が発揮できるようですので、面白くないと思うような研究はやめましょう(笑)。

何を研究するか試料をどうするか等、研究について熟慮を要求される研究の例として原子炉照射の研究を以下に紹介します。
 中性子照射の影響を調べるために、材料の原子炉照射を行いますと、通常材料が放射化されるため、放射能の減衰を待つか、遠隔操作しなければならないため複雑で高価な装置を用意するなどして研究を行います。特に減衰を待つ様な試験ですと、実験を最初に計画してから、数年の月日を経た後データがだせるようになる事は少なくありません。また最近の進展の著しい複合材料などでは、5年前の材料は歯牙にもかけられていないようになることは珍しくありません。それ故、材料の選択を誤ると、照射試料の価値がなくなるあるいは高額な実験装置が無駄になってしまいます。系統的で外挿性の高いデータの取得ができるよう、照射する試料の選択に熟慮が要求されるのです。
 我々の研究とは一概に比較することはできませんが、計画研究をスタートさせるに当たって、一度立ち止まって、今行っている研究やこれからやろうとしている研究の位置付けや将来的な意義(もちろん業務命令としてやらなければならないようなスクリーニング試験の様ものもあるとは思いますが)に思いをはせていただけたらと思います。  
 懇親会の2次会で、白熱した議論?になったことなのですが、トリチウムの半減期は12.3〜12.4年となっていますが、半減期はどの程度正確にはかれるのでしょうか。またどうしたらより正確に測れるのでしょうか。日本では測定されていないかも知れません。(後で文献を調べるとMound Laboratoryで測定された半減期*は12.3232±0.0043平均太陽年となっていました、測定者によっては、異なったデータがでているものと思われます)崩壊現象ですので、本質的にこの程度にしか定められないものだとは思いますが、一度調べてみるのも一興かも知れません。多量のトリチウムを扱うようになるとトリチウムの半減期の誤差が、長期間保存された後の残存量の評価に大きな差をもたらしますので、改めて半減期の誤差の問題が顕在化してきますから、これを精度良く測定することは地味ですが極めて意義深い研究の一例であると言えましょう。(最近はこういう地道な研究や測定になかなかお金がつかないことは、心ある研究者の悩みの種です。)
 ご紹介しましたように、同位体効果についても、不用意に単純な理論を拡張(外挿あるいは内挿)していることが、しばしば見受けられます。常識に逆らってみるのも、一つの科学へのアプローチだと思います。
 繰り返しますが、5年後に胸を張って「私はこれこれをした」と言えるように悔いなき前進(猪突猛進は困りますが)をはかりましょう。
以上
*"Hydrogen properties for Fusion Energy", Ed. P. Clark Souers, University California Press, 1986



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